直接ご覧になってご判断ください
多くの動物病院では、治療室の中を見ることができません。扉の外で待ち、治療後の説明を聞くことになります。
ドクターズでは、治療室と待合室の間をガラス壁で仕切り、麻酔導入から回復まで全過程を飼い主様が直接ご覧いただけるようにしています。これが、私たちが最初にお伝えしたい診療方針です。
言葉だけで信頼を求めるのではなく、実際の診療をご確認いただくためです。私たちは「見える診療」を選びました。
立ち会いについて、八つのご質問
どこから見ることになりますか。
立ち会いは申し込みが必要ですか。
全過程を見ることができますか。
見ているあいだ、説明はどうなりますか。
写真や動画を撮ってもよいですか。
ガラスは片側からしか見えないのですか。
見るのがつらそうです。
治療が終わったらすぐに連れて帰れますか。
麻酔は「気をつけます」という言葉の代わりに
手順をお見せします
動物の歯科治療で、飼い主様が特に心配されるのが麻酔です。ドクターズが麻酔前に何を確認し、麻酔中に何をモニタリングするのかを項目ごとにご紹介します。
① 麻酔前検査 — 13項目
患者の年齢と状態によって実施する項目が変わります。どの検査が必要かは、ご相談の際に個別にご案内します。
心臓・気管支・肺の形態的な異常がないか、麻酔前に確認します。
赤血球・白血球・血小板を確認し、貧血の有無などを判断します。
ALP · ALT · BUN · CRE · AMY · GLU · TP の7つの基本項目。
ALB · ALT · BUN · CRE · PHOS · TBIL · AMYL · LIPA · GGT · CHOL · Ca · GLU · TP · GLOB · Na · K · Cl — 血液化学と電解質の全般17項目。
CRP・fSAAを測定し、炎症の程度を評価します。
猫の心疾患(肥大型心筋症など)の可能性を評価するスクリーニング検査です。診察や他の検査結果と合わせて判断します。
麻酔計画に影響する可能性がある膵炎について、麻酔前に評価します。
血圧の異常を把握し、麻酔計画やモニタリングに反映します。
不整脈の有無を確認し、麻酔計画やモニタリングに反映します。
屋外生活をしていた、あるいは予防が十分でなかった患者の無症状感染の有無を確認します。
必要に応じて、特定の感染症に対する抗体価を処置前に確認します。
心臓の構造と機能を評価し、麻酔リスクの把握や、患者の状態に応じた輸液・薬剤・モニタリング計画に役立てます。
症状に表れていない腹部臓器の異常がないかを確認し、外科・内科の管理計画に役立てます。
② 麻酔の方法と流れ
全身麻酔 — 吸入麻酔(isoflurane)
- 健康状態とバイタルサイン(心拍・血圧)の確認
- 静脈カテーテルの装着と輸液ラインの接続
- 前投薬 ブトルファノール(butorphanol) の投与
- 静脈麻酔薬 プロポフォール(propofol) による導入
- 気管挿管
- 麻酔器による吸入麻酔の開始
- 麻酔モニタリング(下記6項目)
追加で投与する薬剤
- 制吐剤・胃酸抑制剤・鎮痛剤
- モニタリング値に応じて心拍数や血圧を調整する薬剤(グリコピロレート・エフェドリン・ドブタミン)
- 術野への局所麻酔薬(72時間持続型製剤を含む)
同じ薬剤・同じ用量でも、反応は患者ごとに異なります。そのため、全身状態と麻酔中の反応に合わせて投与量を調整します。歯科処置では口腔内の神経ブロックを併用することで、必要な全身麻酔薬の量を抑えられる場合があります。継続的なモニタリングにより適切な麻酔濃度を保ち、変化を早期に捉えて回復まで管理します。
③ 麻酔中のモニタリング — 6項目
ECG
心電図 — 不整脈の監視
SpO₂
酸素飽和度 — 酸素化の状態
EtCO₂
呼気終末二酸化炭素(EtCO₂)— 換気の状態
麻酔ガス濃度
吸入麻酔薬の濃度
血圧
循環の状態
体温
低体温の早期発見と予防
④ 回復
麻酔前に必ずお知らせください
次の項目には、飼い主様にしか分からない情報があります。詳しくお知らせいただくことで、ペットに合わせた麻酔計画を立てやすくなります。
体調
急を要する手術でなければ体調の良いときに行います。直近2日以内に嘔吐・下痢・食欲不振・元気消失があった場合はお知らせください。
絶食
麻酔中は胃の内容物が嘔吐・逆流することがあります。内容物が気道に入ると、誤嚥性肺炎を起こす危険があります。6時間以上の絶食をお守りください。お水は飲んでいただけます。
薬歴
麻酔にはいくつもの薬剤を使います。まれに薬剤の副作用(ショックなど)が現れることがありますので、体質、薬剤アレルギー、過去の麻酔での副作用があればお知らせください。
基礎疾患・高齢
麻酔薬の影響で血圧低下や不整脈が生じることがあります。そのため、必要なモニタリング機器・薬剤・設備を準備して麻酔を行います。呼吸器・心血管疾患がある場合や、高齢で衰弱している場合は、患者の状態に合わせてより慎重に計画します。
保有設備
歯科診療の基本となる全顎歯科レントゲンと精密口腔検査に加え、麻酔前検査と麻酔中のモニタリングに必要な設備を備えています。現在、16台の機器を使用しています。
歯科処置・画像診断5台

水とレーザーエネルギーを組み合わせて組織を処置する歯科用レーザーです。周囲への熱の影響を抑えやすく、処置によっては回転器具による振動を減らし、出血のコントロールにも役立ちます。難しい抜歯、歯周処置、猫の口内炎などで、症例と適応を判断したうえで使用します。

犬や猫の口腔形態では、印象材だけで歯列や咬合の情報を十分に記録できない場合があります。デジタルスキャンを併用し、適合精度を考慮したクラウン製作に役立てます。

デジタルセンサーを用いる歯科レントゲン装置で、高解像度の画像を短時間で確認できます。

部位に合わせて複数サイズのイメージングプレートを使い分け、効率よく撮影します。落ち着いている患者では、獣医師が可能と判断した場合に限り、麻酔なしで一部の歯を撮影できることがあります。

歯科処置中に発生する水分や切削片などを効率よく吸引し、清潔な術野を保ちます。麻酔中の患者では、口腔内の液体を適切に除去することが、気道への流入リスクを抑えるうえで重要です。
麻酔中のモニタリング2台

麻酔中の心電図、心拍数、血中酸素飽和度、呼吸数、血圧、体温などをリアルタイムでモニタリングします。数値の変化を早期に捉え、患者の状態に応じて対応するための機器です。

麻酔前・麻酔中・回復期の心拍数と呼吸数を連続測定します。患者ごとの変化を把握し、回復期の異常を早く見つけるために使用します。
麻酔前検査・院内検査7台

肝臓・腎臓・膵臓に関連する項目、血糖、電解質などを少量の血液で測定します。SDMAを含む複数項目を院内で確認でき、麻酔リスクの評価や疾患の早期発見、治療計画に役立てます。

少量の血液で赤血球・白血球・血小板などを測定します。貧血や、感染・炎症を疑う変化がないかを確認し、麻酔前のリスク評価に役立てます。

血液中の酸素・二酸化炭素分圧、酸塩基平衡、電解質を測定します。呼吸や代謝の異常を把握するため、特に高齢または重症の患者で活用します。

炎症マーカー(CRP・SAA)、膵炎関連マーカー、ホルモンなどを院内で定量測定します。外部検査機関へ送らずに結果を確認できるため、迅速な診断と治療方針の検討に役立ちます。

尿糖・尿蛋白・pHなどを測定します。腎疾患、糖尿病、膀胱炎などの泌尿器・代謝疾患を疑う変化の把握や、治療経過の確認に役立てます。

心臓や腹部臓器の構造を詳しく観察できる高解像度の超音波診断装置です。小さな変化の把握や、診断・経過観察に役立てます。

消化管内の異物を、症例によっては開腹せずに摘出できるほか、慢性消化器疾患で必要な生検にも使用します。適応となる症例では、処置の侵襲を抑え、回復を助けることができます。
眼科検査2台

角膜・結膜・前房・水晶体など、眼の前方構造を拡大して観察する検査機器です。肉眼では分かりにくい角膜潰瘍、白内障、ぶどう膜炎などの評価に使用します。

動物用の眼圧計で、多くの患者では点眼麻酔を使わずに短時間で測定できます。緑内障やぶどう膜炎など、視力に影響する疾患の発見と管理に役立てます。
歯を一本ずつ撮影し、歯根と周囲の骨を評価します。表面の歯石だけでなく、歯ぐきの下で何が起きているのかを確認する検査です。ドクターズの歯科治療は、この評価から始まります。(診療費ページの「全顎歯科レントゲンおよび精密口腔検査」)